
2020年の小学校プログラミング必修化への動きが活発になってきている今日この頃ですが、プログラミング必修化は子どもの世界だけの話ではないのかもしれません。
なぜなら社内公用語として英語を社員全員に必須のスキルとして求めた楽天の三木谷会長が、今度は社員全員にコンピュータのプログラミング能力を求めているからです。ある意味では大人のプログラミング必修化とも捉えることができます。
ここで三木谷会長が求める能力は、プログラミングの仕組みやCPUとGPUの違いを理解する能力、プログラミング言語を記述する初級レベルのコーディング能力です。あるインタビューの中でも「ITサービス会社に勤務しているなら、コンピュータについての基礎知識は必要だ」と強調されていました。
現在楽天社員の全員が強制的にプログラミングを学んでいるわけではないですが、2018年、約260人非技術系新卒者向けにJavaの入門レベルとネットワークアーキテクチャー構築の基本スキルを含む6ヶ月コースを設けたり、今年4月の新卒400人にも情報処理に関する研修に3ヶ月の時間を費やすそうです。
これは予想になりますが、楽天ほどの有名な大企業が社員のプログラミング能力を必須化したならば、それに追随し模倣しようとする会社が多く現れるのではないでしょうか。現に楽天が英語を社内公用語としてから、それがうまくいったのを見てか社内公用語を英語にする会社が大手を中心に増えてきました。
ただ一方でこうした取り組みを懸念する声もあり、先端プログラミング教育協会の宍戸信彦理事は、到達点が明白な英語であれば社員も取り組みやすいが、プログラミングの場合は難しいと指摘しています。
たしかにプログラミングの場合は何を持って身に付いたと判断するのかの線引きが難しいところがあります。たとえ資格を取ることを目的にしたとしても、業務で明確に使うタイミングも分かりづらいので、どこを到達点にするのかが曖昧になりがちです。英語であれば、TOEIC何点という基準や、業務に関しても全て英語で話すという到達点があるので、どのくらいのレベルを目指せば良いのかが分かりやすいです。
三木谷会長は英語を社内公用語化した経験があるので、今回の取り組みでも成功できる自信があるようです。プログラミングスクールの講師をしている私としても、ぜひこの取り組みが成功することを願っています。
参考
英語の次はプログラミング、楽天の三木谷会長が社員に要求
http://u0u0.net/Sg9R